「黒」一色の面接会場 スーツで「個性」出す学生も
本当に黒いスーツは就職に有利なのか。
青山商事のブランド「ザ・スーツカンパニー」が
昨年12月に公表した「新卒者の面接時における見た目」についての調査結果は、
学生の黒信仰に疑問を投げかけるものだった。
新卒採用に携わる経営者や役員、会社員、公務員206人を対象にした
アンケートでは9割以上が「見た目」を採用ポイントに挙げ、
さらに好印象を抱く箇所として「体形に合ったスーツの着こなし」(66.8%)、
「靴がピカピカ」(47.7%)、「ズボンの折り目」(41.7%)が上位を占めた。
「スーツの色(紺や黒系)」の評価は5番目だった。
あえてリクルートスーツで個性を出そうとする学生もいる。
米国留学から帰国し、就職活動に挑む甲南女子大学4年の中西舞さん(22)は、
行き慣れた百貨店で紺地にストライプのスーツを購入した。
理由は、
「黒スーツは自分らしくないと思って。
試着してみたらこっちのほうが似合ったので、紺にしました」
これまで希望する航空・ホテル業界の説明会に紺のスーツで参加したが、
どの会場でも黒スーツ姿の学生しか見かけなかった。
採用試験が本格化する中、自分にとって紺スーツは、
「自分の良さが伝わる、自分を一番良く見せてくれるツール」と笑顔で話す。